今回はパイロットの人気シリーズ「カスタム」の初代である「カスタムK」についてのお話です。
すでに廃盤しているモデルなので、購入の参考にはなりません。
左利きが万年筆を楽しんでいることが伝わればいいかなと思い、記事にしました。
購入した経緯、サイズ感やデザイン、書き心地についてレビューしたいと思います。
左利きの方、万年筆に興味のある方の暇つぶしになれば嬉しいです。
パイロット

パイロット(PILOT):1918年に創立された日本の大手文房具メーカーです。
パイロットのミッションは、「人と創造力をつなぐ」ことです。筆記具を通じて、人々の創造力を支えることを目指しています。
1918年に日本初の純国産の金ペンを製造した並木良輔さんが、東京商船学校の同窓である和田正雄とともに株式会社並木製作所を設立しました。
船乗りであった創業者たちの「業界の水先案内人でありたい」という想いを込めて作られた国産初の万年筆が「パイロットペン」と名づけられ、のちの社名の由来になりました。
その後、1938年にパイロット萬年筆株式会社に、1989年には株式会社パイロットに商号を変更しました。
現在は、万年筆やボールペン、消せるボールペン「フリクションボール」などの革新的な商品を開発しています
カスタムK:PILOTの約100年にわたる万年筆づくりの歴史の中で生まれた「カスタム」シリーズ。
「カスタム」とは「注文品」、「使う人の注文に応える」という意味から由来しています。
そして、1971年に発売された「カスタム」シリーズの初代がカスタムKです。
黒ベースに金色(仏壇カラー)は1972年に発売開始されました。
価格 | 不明 |
ペン先 | 14金 |
字幅 | EF(極細)・F(細字)・FM(中細)・M(中字)・B(太字) |
サイズ | 収納時:135㎜ 筆記時:123㎜(キャップポスト無し) 筆記時:150㎜(キャップポスト有り) 軸径 :12㎜ |
重さ | 全体 :17g 軸 :10g キャップ:7g |
インク充填方法 | 両用式(カートリッジorコンバーター) |
キャップ | 勘合式(カチッとハマるタイプ) |
リサイクルショップで発見。

家族でリサイクルショップに行った時、ショーケースに↑こんな感じで置いてありました。
パイロットの万年筆だけど、見たことない形でした。値段は税込み5500円。
恥ずかしかったですが、店員さんに声をかけて見せてもらいました。

実際に手にもってみたけど、何も分からない。

ペン先を見たらビックリ。14金ペン先じゃん!しかもインレイニブ!
「なんだこれは?」と思いました。パイロットの万年筆でこのペン先は「エリート90s」と「シルバーン」だけのはず…。
結局なんだか分からないまま、14金のペン先で5500円なら買ってもいいなと思い、買いました。
今思うと買う前に調べればよかったんですが、購入後に「これは何だ?!」と携帯で調べました。
そしたら、カスタムシリーズの初代「カスタムK」であることが判明。
面白い出会いをしたなと嬉しくて奥さんに報告したら「良かったね」と笑顔で許してくれました。
よく見かけるサイズ感。

収納時の長さは135㎜、太さが軸が12㎜、キャップが13㎜、重さが17gです。
サインペンがサインペンの長さ140㎜、太さ12㎜、重さ8g。
サインペンとほとんど同じサイズ感ですが、キャップ部分の太さで多少カスタムKの方が太く見えます。
筆記用具にはよく見かけるサイズ感だと思います。
筆箱に入れても他の筆記具と喧嘩することなく、そこそこに存在感を放ちながら収まっています。

キャップポストありの長さは150㎜、太さが軸が12㎜、キャップが13㎜、重さが17gです。
サインペンの長さ140㎜、太さ12㎜、重さ8g。
キャップポストすると少し長くなりますが、長すぎることはなく日常使いにはほとんど問題ありません。

キャップポスト無しの長さは123㎜、太さが12㎜、重さ10gです。
サインペンの長さ140㎜、太さ12㎜、重さ8g。
キャップポストしないと若干の物足りなさがありますが、日常使いだとこちらの方が使用頻度が高いです。
インレイニブにテンションが上がる。

いわゆる仏壇カラー(黒ベースに金)キャップは勘合式で「カチッ」と閉まるタイプ。
先入観もありますが、よき古き昭和の匂いを感じます。

ペン先には「14K(14金)」「585」金が58.5%という意味。社名「PILOT」に字幅の細字「F」。
「H877」は正確な意味は分かりませんが、1977年8月に平塚工場で製造されたモノという説があります。
ペン先のデザインは、とにかくインレイニブにテンションが上がる。見た目がとてもカッコイイ!
さすが数十年間使われたモノなのでペン先は少し汚れていますが、それも含めていい雰囲気を感じます。
「インレイニブ」とはペン先と万年筆本体が一体化しているモノを言います。

よくみる万年筆は「オープンニブ」↑

キャップの天冠には、パイロット(PILOT)の「P」の文字。
この装飾された「P」が昭和っぽい(偏見ですが)
柔らかさを感じながら、気持ちよい書き心地。

書き心地は軟らかいと感じました。軟らかいといっても軟調ペン先ほどではないですが、普通の細字や中字などのペン先に比べると軟らかかったです。
中古品ということで若干の不安はありましたが、インクフローもよく日常使いするのに全く問題なさそうです。
持った感触は「軽い」でした。プラチナのプレピーを持った時の軽さに似ていました。

キャップポスト無しの方が書きやすかったです。
万年筆本体は軽く、ペン先の方少し重いので左利きの私にとって扱いやすいバランスでした。
※キャップポスト=キャップを尻軸にハメること。画像↓

キャップポストしても日常使いできます。キャップも軽いのでキャップポストしてもバランスはあまり変わりません。
ただ、少し後ろ側が長くなるので重心が後ろに下がり細かい字が多少書きにくくなりました。

キャップポストした方が手元のカッコよさがあるので、原稿書いたり、アイディア出しなど細かい字を書く必要がない時はキャップポストして見た目を楽しみながら使っています。
お店での出会いを楽しむ。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
購入の参考にはならないと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
今回のカスタムKのようないわゆる「掘り出し物」に出会えるのが、リサイクルショップの楽しいところ。(アタリハズレありますが)
今日はなにか面白いモノあるかな?とワクワクしながら散歩やドライブが出来るので、そうした楽しみを作ってくれる万年筆に感謝です。
そして、私の趣味や楽しみに理解してくれて背中を押してくれる奥さんに感謝です。
みつけのしろうさぎ
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