【左利き万年筆初心者ガイド】万年筆デビューするまでの7つの話。

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万年筆あれこれ

「万年筆に興味はあるけど、左利きだから万年筆を使うのは難しいのかな?」思っていませんか。

万年筆を試してみたいと調べてみるものの、万年筆の情報は出てきても左利きの使い心地に関する情報は少ない。

調べてもよく分からないから、興味はあるけど最初の一歩が出ない。

そんな方へ、万年筆歴10年の左利きの私が伝えます。「左利きでも万年筆は使えるし、楽しめる」と。

まず、「左利きでも万年筆を使えると発信する理由」「万年筆の魅力」について。

そして、万年筆を使ってみようかと思ってくれた方へ「万年筆の選び方」「購入方法」「万年筆の使い方」をお話します。

本記事を読んで「左利きでも万年筆を使えそうだし、楽しめそうだな」と思っていただけたら嬉しいです。

みつけのしろうさぎ

万年筆歴10年の左利きです。持っている万年筆はだいたい40本。新潟県在住の30代2児の父。
左利きの万年筆に関する情報が少ないのがきっかけでブログを始めました。左利きの方、万年筆に興味のある方のための情報発信をしています。

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第1話 左利きでも万年筆は使えるし、楽しめる。

私が「左利きでも万年筆は使えるし、楽しめる」と言う理由は以下の3つです。

  • アラビア語は右から左に書く。
  • 書籍や販売員、調整師は「左利きは万年筆が使いづらい」と言っていない。
  • 私自身が左利きで10年も万年筆を使って楽しんでいる。

アラビア語は右から左に書く。

アラビア語圏では、文字は右から左に向かって書きます。右利きの人がアラビア語を書くとペンを押しながら書くことになります。

日本語で文章を書く左利きと同じ状況になるわけです。そうした状況の人たちも普通に万年筆を使っています。

そして、アラビア語はウィキペディアで調べると25か国以上、約4億人が使っています。

アラビア文字は世界で3番目に使用者が多い言語です。(1位ラテン語※アルファベット、2位漢字)

世界に目を向けると日本の左利きと同じような状況の方々が結構いて、そうした人たちも日常的に文章を書いています。

そして、文章を書く人の中には万年筆を使う方もいらっしゃいます。

それならば日本の左利きだって、万年筆を使えるはずと私は思うわけです。

「左利きは万年筆が使いづらい」と言っていない。

有名な万年筆のペン先研ぎ師の長原幸夫さんの「よい万年筆の条件」の話

よく左利きの人は万年筆を使いづらいといわれますが、そんなことはありません。良い万年筆は左利きでも右利きでもスムーズに書けるものです。

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私自身が左利きで10年も万年筆を使って楽しんでいる。

そして、何より「私自身が左利きであり、今までの人生で万年筆を楽しんでいること」が左利きだって万年筆を楽しめると考える何よりの根拠です。

かれこれ10年以上万年筆を使ってきましたが、左利きであることが原因で万年筆を使えなかったことはありません。

「筆記角度」「ペンの持ち方」「左利きには万年筆は不向き」等々そんなのはどうでもいいんです。

肝心なのは使えれば、書ければそれでいい。「書ける。そして楽しいが正義」です。

第2話 万年筆の魅力

  • 多様で美しいデザイン
  • 唯一無二の書き心地
  • 多彩なインク

万年筆の魅力①多様で美しいデザイン

万年筆の魅力の1つが色んな素材で出来たペン本体や個性のあるデザインです。

万年筆本体の素材は樹脂、合金、レジン、木など色んな素材があります。

それぞれ質感や模様に個性があり、書くだけでなく眺めても楽しいのが万年筆の魅力です。

万年筆のイメージといえばこれ。色んな色、デザインがあります。

落ち着いた雰囲気の中に高級感があり、シンプルなデザインで飽きのこない一生モノの万年筆。

こちらは模様が特徴的な万年筆。光の当たり具合で表情が変わる魅力的な万年筆。

こちらは中身が見えるスケルトンボディの万年筆。インクの残量が分かったり、万年筆の中に充填したインクの色が見えたり、便利で楽しい万年筆。

メタリックなボディの万年筆。触りとひんやりとした感触や持つと少しズシッと重みを感じる万年筆。

持ち運んでどこでも手軽に使えるけど、スマートな雰囲気でカッコいい万年筆。持ってる人もスマートに見えるかも(笑

気負うことなく、使えるポップな色の万年筆。値段も手ごろで万年筆を試ししてみたい方にオススメ。

忘れてはいけないのは、ペン先のデザインです。ペン先のデザインのカッコよさもいつまでも眺めていられます。

こちらはエレガントな雰囲気のペン先です。カッコいいデザインや、エレガントなデザイン、可愛いデザインなどペン先のデザインにも色んなモノがあります。

こちらは子どもでも親しみやすい可愛いデザインです。案外大人の方がハマってしまったりもしますが。

万年筆の本体からペン先、キャップまでその素材やデザインの個性を感じながら眺めてみたり、文章を書きながら万年筆本体の感触を楽しんだり。

書く時間はもちろんのこと、お気に入りのペンを愛でる時間がほかの筆記用具にはない万年筆ならではの時間です。

万年筆の魅力:唯一無二の書き心地

万年筆は構造上、筆圧が必要ありません。そのおかげで長時間の筆記で疲れにくいという特徴があります。(左利きも同様です)

万年筆にしかない滑らかでスラスラした書き心地はボールペンやシャーペン、筆では味わえない感触だと思います。

そして、その書き心地にも個性があり、自分の好みの書き心地に出会った時は飛び上がるぐらい嬉しいです。

セーラーの販売員さんの解説を聞きながら、セーラー万年筆の長刀研ぎを試筆した時の紙です。

書き心地もいいのですが、文字の線の太い細いなどで書き癖や書く人の個性がよく出るのも万年筆の良いところ。

私は色んな万年筆を使って字を書いてきましたが、万年筆それぞれに個性があり、その個性を感じながら文章を書くことが楽しくてしょうがありません。

万年筆の魅力:多彩なインク

万年比 インク

万年筆の魅力に万年筆で使用するインクの多彩さがあります。

お気に入りの万年筆に好きな色のインクを入れて書くのは、本当に気分が上がります。

書くのとは違う楽しさを感じる瞬間でもあります。

色の種類も多いですが、同じ色でも(例えばブルー)メーカーによって色味が違います。

濃いブルーだったり、少し淡いブルーだったり色んな意味で多彩な種類のインク。

ここからお気に入りを探すのが大変ですが、インクにハマる人も多いです。

そういう方向けに開催されるイベントがあるほどインクの魅力は深いものです。

「この万年筆に合うインクは何かな?」と万年筆とインクの組み合わせを考えるもの万年筆の楽しいひと時です。

第3話 万年筆のメリット・デメリット

万年筆は使って楽しいだけの玩具ではありません。筆記用具としてメリット、デメリットをご紹介します。

メリット①「書く」がはかどる。

試験勉強や原稿の下書き、手帳や日記など書くことがはかどります。

長時間使っても疲れず、滑らかな書き心地の万年筆は長時間考えたり書いたりするのにピッタリです。

お気に入りの万年筆×好きな色のインク】を使って文章を書くことで気分とやる気を上げながら文章を考えたり、書くことができます。

私は国家試験の勉強したり原稿の下書き、手帳や日記も万年筆を使っています。

※国家試験には合格しました。手帳や日記も万年筆のおかげで続いています。万年筆がもっと使いたいから原稿の下書きも手書きしています。

メリット②ほかの筆記用具にも良い影響が出る。

万年筆を使い慣れてくると筆圧の調節が出来るようになります。それがボールペンにも良い影響がありました。

まず、ボールペンの書き心地も滑らかになった。私は左利きで筆圧も強い方です。

ボールペンは「ゴリゴリ」と書いていました。(筆記時の下敷きに雑誌を使うと書いた文字が雑誌に写るほど←筆圧で表紙が窪む)

それが万年筆を使い始め、筆圧の調節が出来るようになってくるとボールペンでも「スラスラ」と書けるようになりました。

他にも、紙を破らなくなったり、シャーペンの芯を折らなくなったりと良い変化がありました。

デメリット①手が汚れる。

カートリッジの場合手を汚すことはありませんが、コンバーターや吸入式の万年筆を使う時、指先が汚れることがあります。

ただ、水性インクなので手を洗えば落ちますし、遅くても1~2日でいつの間にか消えています。

デメリット②出費が多い。

万年筆にハマってしまうと金銭感覚が若干麻痺してきますが、入門万年筆として紹介される万年筆でも1000円~5000円ぐらいの値段します。

金ペンの万年筆だと安くて1万円ぐらいです。

インク、万年筆に適した紙を使おうとするとそれもまたお金がかかります。

ハマればハマるほど出費が増えてしまうのが万年筆のデメリットです。

※私は安い万年筆を中心に買って物欲を満たし、万年筆を楽しんでいます。年に1回ぐらい思い切って高価な万年筆を買います。

第4話 初心者の万年筆の選び方(左利き)

  • 国産万年筆が無難
  • 字幅はFかM
  • 価格はなるべく安いもの(0円~5,000円以内)

左利きの初心者には、国産メーカー(パイロット、セーラー、プラチナ)がおすすめです。

文房具店で試筆できる機会が多いし、デパートなどでも簡単に購入できるし、書き心地も安定していてハズレが少ない。(万年筆はほかの筆記用具に比べると不良品に出会いやすい製品)

万年筆を試す段階なら、とりあえず国産万年筆を試してみることをオススメします。

字幅はF(細字)がおすすめです。F(細字)だと細すぎると思う方はM(中字)でも良いと思います。実際に試筆してFとMの感触を確かめておくと選びやすいです。

セーラー万年筆のプロフィットjrはF(細字)とM(中字)の間、MF(中細)という字幅があるので、考えるのが面倒な人はMF(中細)から試してみるのもありです。

初心者にオススメする万年筆の価格帯は人によって異なりますが、私は予算3000円ぐらいで考えると良いかなと思います。

これは個人的な金銭感覚の問題ですが、もし、私が万年筆初心者で万年筆にハマらなかったら「万年筆という体験」に払ったと考えた時に5000円だと「一つの体験に5000円は高いなぁ」と感じます。

「まぁ少し高いけど、しょうがないか」と思える金額が3000円だったのでこの金額にしました。

【万年筆歴10年】左利きの万年筆の選び方(基本情報の見方) | みつけのしろうさぎ (mitukenosirousagi.com)

第5話 購入方法(通販と実店舗)

主な万年筆の購入方法は「通販で買う」か「実店舗で買う」です。

私は通販7割、実店舗3割ぐらいの比率で買っています。

通販の割合が多い理由は「実店舗で買うより安いことが多いから」と「欲しい万年筆が近所で売っていない」の主に2つです。

実店舗で購入する時は「欲しい万年筆が近くに売っている」「通販で売られている価格とあまり変わらない」時です。

「通販」と「実店舗」、それぞれで購入するときに私が感じたメリット、デメリットをご紹介します。

通販のメリット・デメリット

メリット

  • 欲しい万年筆が簡単に見つかる。
  • 実店舗より安く買えることが多い。
  • 選べる選択肢が多い。

通販の最大のメリットは「欲しい万年筆、欲しい色、欲しい字幅」が簡単に見つかることです。

場所にもよりますが、万年筆の品ぞろえが良いデパートや文具店はそれほど多くありません。

デメリット

  • 実際のサイズ感や色、書き心地が手元に届くまで明確に分からないこと
  • 試筆ができない。
  • 返品などが面倒

通販のデメリットは実際のサイズ感や色、書き心地が手元に届くまで明確に分からないことです。

通販で買って届いたけど、「思ってたより小さい」とか「思ってた色味と違う」「思ってたより字幅が太い」なんてこともたまにあります。

実店舗のメリット・デメリット

メリット

  • 試筆できることがある。(字幅ごとの雰囲気や書き心地がなんとなく掴める)
  • 目でみて万年筆のサイズ感が分かる。
  • 購入したらすぐに使える。返品交換もお店に行けばスムーズ。

実店舗のメリットは実物を見て触れることです。試筆できる店では試し書きも出来ます。

実際のサイズ感や色味、字幅の太さなどを把握できるので、通販の時とは違い「思ったより~。」が少なくて済みます。

デメリット

  • セールでなければ定価で売っていることが多い。
  • 選択肢が限られる。
  • 実店舗まで行く手間がある。

万年筆にハマると店舗巡りも楽しいですが、初めの頃はこれが苦痛でしょうがいない。

特に田舎だと店の数も多くないし、店までの距離も遠いし、行ってみないと欲しい万年筆があるかどうかも分からない。

ある程度の時間と体力を要すること、しかも欲しい万年筆の在庫がなく無駄な努力になる可能性もあることが実店舗のデメリットでしょう。

私の買い方

実店舗で実物を見て触って、ある程度のサイズ感や色味、字幅の太さや書き心地を確認してから「通販」で価格をチェックして実店舗より通販の方が安ければ通販で買う。

第6話 万年筆の使い方

万年筆を購入して、どのような手順で「書く」まで至るか、そして万年筆は定期的に洗浄という作業があるのでそれについても解説します。

開封する。

中身を確認して、保証書を保管して説明書を読む。その後、万年筆を手にとり見た目や触ったり、持ってみた質感を楽しむ。

インクを充填する。

初心者の方はカートリッジがおすすめです。万年筆購入時にだいたい1本カートリッジが付いてますし、カートリッジの装填も簡単です。

コンバーターとインクボトルは別売りなので、その分お金もかかってしまいます。

カートリッジで試してみて万年筆に興味が出てきたらコンバーターを検討したら良いと思います。

数日に渡ってひたすら書く。

いっぱい書いて万年筆の書き心地を楽しんで下さい。

インク充填には少し時間がかかる場合があるので、数日とりあえず使ってみることをオススメします。また、使っているうちに自分の手が万年筆に慣れてきます。

開封直後に書いて「あれ?なんか思ってたのと違う」と思っても、数日使っているうちに少しずつ書きやすくなっていきます。

おまけ 洗浄

ここでは両用式の洗浄方法をご紹介します。両用式とはカートリッジとコンバーターのどちらでも使える入門万年筆に多いタイプです。

用意するものはこちら↓

  • 水の入ったコップ(汚れてもよいもの)
  • 乾いたタオル。
  • 洗浄する万年筆。

万年筆を分解する。

まず、(左から)胴軸、コンバーター、首軸、キャップに分解する。

吸入式の万年筆は分解できないので、そのまま洗浄に移ります。

水道の流水で洗う。

首軸を流水にさらす。(水が透明になるまで)

コンバーターを使用している場合、コップに水をためてコンバーターで水を吸い上げ吐き出す。(水が透明になるまで繰り返す。

タオルの上で乾燥させる。

乾いた布で水分を拭きとり、風通しのよいところで乾かす。

洗浄しないと起きるトラブル

万年筆内でインクが固まってしまうと書き心地が悪くなったり、インクフロー(インクの出具合)が悪くなります。

洗浄の頻度は人によってバラバラですが、定期的に洗浄が必要です。私はあまり洗浄しません。書き心地が悪くなってきたなと思ったら洗浄するので、3か月に1回やるぐらいです。

7話 左利きで万年筆に興味がある方へ

まず使ってみて欲しい。

少しでも万年筆に興味があるなら、使ってみて欲しい。使って体感してぜひ万年筆にハマって欲しい。

万が一、ハマらなくても世の中にはこういう筆記用具があるのかと経験にしてもらえたら嬉しいです。万年筆を知っていれば、贈り物として万年筆を選択肢に入れられます。

万年筆でなくても、素敵なボールペンを贈るアイディアの一助になるでしょう。

まずは万年筆に出会って欲しい!

手間がかかるけど、それでも良い。

万年筆は手間の多い筆記用具です。しかし、その手間をかけてる時間が自分にとって大切な時間になります。

万年筆を取り出し眺めてるひと時、キャップを回しキャップを外すひと時、インクの出具合を確かめるために試し書きするひと時、インクを充填するひと時、書く時以外に色んな手間があります。

忙しい日常の中で速まった時間の流れを緩めてくれる「間」を持っている素敵な筆記用具だと思います。

「私は左利きだから、万年筆は使えないよ」と思っている方、ぜひ万年筆を手に取って使ってみてください。多少の練習か慣れで左利きでも万年筆は使うことが出来ます。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。万年筆が好きな方、左利きの方の役に立てば嬉しいです。

みつけのしろうさぎ

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