ファーバーカステルの「ネオスリム」は、細身の軸としっかりした重さが特徴の、少し珍しい万年筆です。
私に「万年筆の重さが書き心地に与える影響」を実感させてくれた1本でもあります。
一度は廃盤となりましたが、2024年2月ごろに新しいカラーを加えて再登場しました。
今回は、万年筆歴10年の左利きがネオスリムのサイズ感・デザイン・書き心地を中心にレビューします。
ネオスリムは細身のスタイリッシュさに加え高級感のあるデザインと、程よい重みを感じる気持ちの良い筆記感が魅力です。
筆箱に入れて日常使いもできるし、そのスリムなフォルムは手帳などと非常に相性が良く、携帯性を重視する方にはおすすめできる万年筆です。
ファーバーカステル:ネオスリム

ファーバーカステル:1761年にドイツで創業された世界最古の筆記具メーカーのひとつです。
色鉛筆や鉛筆を中心に高品質な製品を提供することで世界的に知られています。
創業者カスパー・ファーバーがニュルンベルク近郊で鉛筆製造を始めたことから始まり、1851年には鉛筆の長さ・太さ・硬度の基準を制定し、現在の六角形デザインの礎を築きました。
1905年に発売された「カステル9000番」鉛筆は、今なお定番として愛され続けています。
ファーバーカステルの製品は、プロのアーティストから一般ユーザーまで幅広く支持されており、油性色鉛筆、水彩色鉛筆、顔料インクなどがあります。
また、削る・消す・書く・携帯する機能を一本に集約した「パーフェクトペンシル」や、最高級筆記具を揃えた「伯爵コレクション」も展開されています。
画家として有名なフィンセント・ファン・ゴッホはファーバーカステルの鉛筆を愛用していたそうです。
ネオスリム:ストレートラインがミニマルな美しさの細身の万年筆。
価格 | 定価11000円~6600円。 カラーによって値段が違う。 |
ペン先 | ステンレス |
字幅 | EF(極細)、F(細字)、M(中字) |
ボディ | ステンレス鋼 |
インク充填方法 | 両用式(カートリッジ&コンバーター) コンバーターは別売りです。 |
細身だけど、ほどよい重みがある。

長さ | 太さ | 重さ | |
ネオスリム | 141㎜ | 8㎜ | 24g |
サインペン | 140㎜ | 12㎜ | 8g |
見て分かる通り、だいぶ細いです。軸径8㎜は私の持っている万年筆の中で最も細いです。
そして、この細さの万年筆はなかなか見つかりません。
そのくせ重さが24g、サインペン約3本分です。持った時にしっかりした重みを感じます。
筆箱に入れても大きく場所を取らないし、手帳のポケットにも無理なく収まるので手帳用としても使えます。
※注意点は金属軸の筆記用具と一緒に入れると塗装が剥げることがありそうです。

長さ | 太さ | 重さ | |
ネオスリム | 156㎜ | 8㎜ | 24g |
サインペン | 140㎜ | 12㎜ | 8㎜ |
キャップポストすると長さは156㎜。ほっそりとスタイルの良い万年筆になります。
キャップの重さが後ろ側に加わるので、少し後ろ側が重くなります。

長さ | 太さ | 重さ | |
ネオスリム | 122㎜ | 8㎜ | 16g |
サインペン | 140㎜ | 12㎜ | 8g |
キャップポストしない状態だと、こぶりな万年筆になります。
重さはキャップが外れた分、少し軽くなりますが、少し重みを感じます。
キャップポストしない方が筆記時のバランスが良いように感じました。
シンプルなストレートライン。

カラー展開は全部で8種類。私が購入したのはブラック&ローズゴールドです。
Neo slim – ファーバーカステル公式オンラインストア←カラーバリエーションはこちら。
直線的なファルムでシンプルなデザインです。軸は触るとヒンヤリとした感触の金属軸。
ベースはブラック、クリップや尻軸、首軸がローズゴールドです。ブラックとローズゴールドの組み合わせがとても高級感を感じます。

キャップは勘合式で「カチッ」とハマるタイプです。
キャップにはファーバーカステルのロゴがデザインされています。
クリップは短い方を軽く押すと長い方が持ち上がる仕組みになっています。

手帳のポケットなどに少し厚めの紙や皮でも挟むことが出来ます。

ペン先のデザインはドット柄に字幅の細字を表す「F」その下にファーバーカステルのロゴでわりとシンプルなデザインです。
首軸のピンクゴールド、ペン先のシルバーの組み合わせがこれまた高級感を感じます。

ペン先はステンレス(硬めの書き味)で少しお辞儀をした傾斜がついています。(個体差でしょうか?)
スラスラとした気持ちよい筆記感。

私が購入した字幅はF(細字)です。国産万年筆のF(細字)より少し太いです。
感触は硬めで可もなく不可もなくスルスルとした書き心地です。
硬めのペン先なので、筆圧が強くても安定した筆記ができます。
持った時の重さも気持ちよく書きやすかったです。

キャップポストしない状態での筆記はとてもバランスが良かったです。
日記やアイディア帳、原稿書きなどによく使っていますが、バランスよくストレスなく書くことができました。
手帳のスケジュール欄に予定を書き込みのには細字(F)だと少し太い感じがします。
手帳でガッツリ使いたい方は極細(EF)の方がいいかもしれません。

キャップポストした状態での筆記は少しバランスが崩れます。
キャップの付いている後ろ側が重く長くなるので、パパッとメモを取ることが出来なくなります。
ゆったり日記やアイディア帳などで自由に書く時には使えそうです。

人間少しの不便なら慣れるもので、私は書いているうちに慣れました。
ただ、普段はキャップポストしないで使うことが多いです。
細さと重さがクセになる万年筆。

ファーバーカステルのネオスリムは私に万年筆の奥深さの一端を教えてくれました。
それは重さが書き心地に大きく影響を与えるということです。
ネオスリムに出会うまではあまり重さを気にすることはありませんでした。
この万年筆以降、万年筆のカタログを見ながら「デザインは良いけど、重さがなぁ~」とか実際に万年筆を持った時に重さまで気にするようになりました。
そして、「私の好みの重さは左だと~g」とマニアックな好みを持つようになってしまいました。(笑

余談がすぎましたが、ファーバーカステルのネオスリムはスタイリッシュさに加え高級感のあるデザインと、ほどよい重みを感じる気持ちの良い筆記感が魅力です。
日常使いもできるし、スリムなフォルムは手帳などと非常に相性が良く、携帯性を重視する方にはおすすめできる万年筆でした。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。このレビューが万年筆が好きな方、左利きの方の誰かの役に立てば幸いです。
みつけのしろうさぎ
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