万年筆初心者にオススメする万年筆として、必ず名前が挙がるパイロットのカクノ。
1100円(税込み)という安さ、安定感のあるスラスラとした書き心地。初心者に使いやすいデザイン。
初心者にオススメする万年筆として文句なしのカクノですが、左利きでも同じことが言えるのか。
【万年筆歴10年の左利き】がパイロットのカクノを実際に使ってみました。使ってみた感想をサイズ感、デザイン、書き心地を中心にレビューしていきます。
使ってみた結果、カクノは左利きの私でも充分に使える万年筆でした。
パイロット:カクノ

PILOT(パイロット):日本の企業で、筆記具や手帳などのステーショナリーを製造・販売しています。
1918年に日本初の純国産の金ペンを製造した並木良輔さんが、東京商船学校の同窓である和田正雄さんと一緒に株式会社並木製作所を設立しました。
船乗りだった二人の「業界の水先案内人でありたい」という想いを込めて作られた国産初の万年筆が「パイロットペン」と名づけられ、のちの社名の由来になりました。
その後、1938年にパイロット萬年筆株式会社に、1989年には株式会社パイロットに商号を変更しました。
現在は、万年筆やボールペン、消せるボールペン「フリクションボール」などの革新的な商品を開発しています
カクノ:『万年筆との出会いが大切なものになるように」と思いから生まれた1本です。
使いやすいよう様々な工夫がされています。
ボディとキャップにリサイクル材を使ったエコな万年筆。
価格 | 1,100円~1650円 |
ペン先 | 特殊合金 |
字幅 | EF(極細)・F(細字)・M(中字) ※カラーによって字幅の制限あり。 |
ボディ・キャップ 素材 | リサイクル樹脂 |
インク充填方法 | 両用式 ※コンバーターはCON-40 |
キャップ | 勘合式(カチッとはまるタイプ) |
握りやすし軽量で扱いやすい。

長さ | 太さ | 重さ | |
カクノ | 130㎜ | 13㎜~14㎜ | 13g |
サインペン | 140㎜ | 12㎜ | 8g |
カクノはサインペンより短いですが、少し太いです。
重さは数字の上では重いですが、ほとんど気になりません。
他の文房具と一緒に筆箱に入っていてもそれほどスペースを取らないサイズです。

長さ | 太さ | 重さ | |
カクノ | 128㎜ | 11㎜~12㎜ | 9g |
サインペン | 140㎜ | 12㎜ | 8g |
キャップを外した状態では、長さがほんの少し短くなります。
広く年齢層を意識していることもあり、万人にとって使いやすい長さと太さだと思います。
実際に持ってみても握りやすいサイズ感でした。

長さ | 太さ | 重さ | |
カクノ | 160㎜ | 11㎜~14㎜ | 13g |
サインペン | 140㎜ | 12㎜ | 8g |
キャップポストした状態だと、サインペンより長くなります。
(※キャップポスト=キャップを後ろ側にハメた状態)
カクノはキャップが軽いので、後ろ側にキャップをハメても書く時のバランスは崩れません。
左利きの万年筆あるあるでキャップポストすると後ろ側が重くなって書く時のバランスが悪くなり、書きにくくなることがあります。
しかし、カクノはそういう心配はいらなそうです。
使いやすい工夫がたくさん。しかも可愛い。

まず、何と言ってもペン先の柄が可愛い。
カクノには「通常シリーズ」と「ファミリーシリーズ」があります。
通常の場合(両サイド)、通常のキャラクターデザインで表情に少し違いがあります。ファミリーの場合(真ん中、父)、父、母、男の子、女の子、赤ちゃんの5種類のデザインがあります。
どの柄も可愛くて書くのが楽しくなります。
左利きはペン先が自分の方を向くことが多いので、よりペン先の柄を楽しめます。(左利き特有のメリットがある)

ちょうどよいで握りやすく、ボディはプラスチック製で軽いのでたくさん書いても全然疲れません。

キャップの上部分に3つ穴が空いています。これは幼児が誤嚥した時の窒息防止で空いている穴です。
余談ですが、我が家の幼児たちはキャップよりもペン先のキラキラに興味を示していました。
そして、強い力で思いっきり書くのでペン先が壊れてしまったことがあります。
子どもの命、万年筆の命を守るためにも子どもの手の届かないところに置くことをオススメします。

キャップと軸の部分が六角形なので、机の上で転がらないのも便利です。
安心のパイロット。ノンストレスでスラスラ書ける。

書き心地はスラスラ、サラサラとした感触です。(画像は字幅中字)
引っかかりもなくノーストレスで書けてます。
握る部分(グリップ)が三角形になっているので、握りやすいです。
字幅は細字(F)と中字(M)の両方を使いました。
細字(F)は手帳やメモ、原稿書きや板書、中字(M)は手紙や字の練習で使うのがちょうど良かったです。
1つだけ不満を感じたのは、他の万年筆よりペン先が乾くのが早いのかな?と思いました。
しばらく使わないでいたところ、万年筆の中のインクが乾いてしまい、使う前に再度インクを補充したということがありました。

キャップを外した状態で書いた時は一言「使いやすい」という感想でした。(画像は字幅細字)
握りやすくて使いやすいサイズ感、左利きでもスラスラとした書き心地す。

カクノが万年筆を初めて使う人にオススメされる理由がよく分かります。

キャップポストした状態でも、キャップポストしない状態と同じように使えます。
(キャップポスト=キャップを後ろ側にハメた状態)
キャップポストするか、しないかは使ってみた感じでどちらが好きかという好みの問題になると思います。

私は普段万年筆はキャップポストせずに使っています。そちらの方が書く時のバランスが良いことが多いからです。
しかし、キャップポストした方が見た目がカッコいいので、キャップポストしても書く時のバランスが悪くならない場合はキャップポストしています。
カクノの場合、キャップポストしても見た目がカッコ良いという感じにならないので、いつもキャップポストせずに使っています。
実は3本目のカクノ

カクノは3本目持っています。
1本目はカクノのM(中字)でしたが、ペン先のインクがすぐに乾いてしまい使わなくなってしまいました。
2本目もM(中字)でした。そのころはまだ万年筆の理解が浅く、万年筆を手帳や日記などで使っていたため、選んだ字幅(中字)が使う場面と合っておらず、使うのを断念。
3度目の正直と意気込んで購入。2本目の教訓を生かしF(細字)を選びました。今のところ、不都合もなく楽しく使えています。
両サイドが通常のカクノ、真ん中が今回購入したカクノ「ファミリーシリーズ」のパパブルーです。
何が言いたいかというと、「皆さんは万年筆を買う前に使う用途と想像して、それにあった字幅を選んでください」ということです。
左利きでも入門万年筆の定番。
パイロットのカクノは左利き(初心者)にもオススメできる万年筆です。
初心者に扱いやすいデザインとサイズ感。そして、左利きでも安心してスラスラ書ける書き心地。なにより1100円(税込み)と安い。
※まどろみシリーズは1650円(税込み)
万年筆色々あって迷うということであれば、とりあえず試しにこれ買ってみたら?と言える1本です。
余談ですが…
パイロット カクノは想い入れのある万年筆です。家族の形見の筆箱に入っていた万年筆がカクノでした。
そのカクノが1本目。どうしても同じ種類の万年筆が使いたくて3本目まで買ってしまいました。
ここにきて、ストレスなく使えるカクノに出会えてよかった。せっかく出会えたので、大事に使いたいと思います。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。左利きの方、万年筆が好きな方、興味のある方の
役に立てれば幸いです。
みつけのしろうさぎ
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