今回は万年筆を修理・調整してもらったお話をまとめた記事です。
姉からもらった万年筆(モンテベルデのツリー・オブ・ザ・ワールドシリーズのセコイア)のインクの出具合が悪く書けなくなりました。
出たと思ったらすぐ掠れるの繰り返し。色んな書き方を試しましたが改善されず。
諦めきれず隣町の文具店に万年筆の修理・調整をお願いしました。1週間後、最高の状態に生まれ変わって帰ってきました(泣
書き心地は修理・調整後なので参考にならないですが、今回のエピソードと万年筆についてご紹介していきます。
モンテベルデ:ツリー・オブ・ザ・ワールド セコイア
モンテベルデ:アメリカのカリフォルニアに本拠地を置くヤファ・カンパニーが2001年に立ち上げたペンブランド。(ヤファー・カンパニーは筆記用具やステーショナリーのメーカー)
ツリー・オブ・ザ・ワールド ジャイアントセコイア:モンテベルデの万年筆シリーズの1つ。
※私が持っているセコイアは古いシリーズで廃盤しているようです。探しても見つかりませんでした。
現行モデルの「ジャイアントセコイア」「バオバブ」「ドラゴンツリー」は現在も売っています。(2023年8月15日現在)
価格 | 19,800円(税込み) ※現行モデル |
ペン先 | ステンレス |
字幅 | Fのみ |
サイズ | 収納時:145㎜ 筆記時:172㎜(キャップポストあり) 軸径:15.5㎜ |
重さ | 33g |
素材 | レジン ※現行モデルはレジンとウォルナット |
インク充填方法 | 両用式(コンバーター付属) |
存在感のあるサイズ感
収納時の長さはサインペンと同じぐらいです。軸は二回りぐらい太いです。重さは持つと重みを感じるぐらいです。重すぎる程ではありません。
他の筆記用具と一緒に筆箱に入れるとかなり存在感があります。
キャップポスト無の状態だとサインペンより短くなります。実際に持ってみると持ちやすく、書く時にバランスの良い長さだと感じました。
キャップポスト無の状態だとサインペンより少し重みを感じるぐらいです。しかし、使っていて重さを感じるほどではありません。
軸は太く、力を入れずに握れている感覚です。
キャップポストするとサインペンより長くなります。
この状態だと、ゆったりと大きめの字を書く時しか使えません。
キャップポストしている後ろ側が重くなるので、小さい字を書くには向かない筆記バランスでした。
書けなかった主な原因はペン先ユニットの劣化。
書けなかった原因はペンポイント(ペン先の丸い部分)がキレイな球体でなかった。もうひとつがペン芯のインク通り道が塞がっていたこと(経年劣化)でした。
(※ペン芯はペンの黒くて溝がたくさんある部分。本体からペン芯にインクを流し溜めることで、スラスラ途切れることなく字が書ける仕組み)
修理してペン芯のインクの通り道を広げて、ペンポイントも整えてもらいました。
修理・調整は出来たものの、経年劣化でペン芯内のインクの乾きが早くなっていて、なるべく毎日使うと良いとのこと。
店頭で試し書きしたらインクが出ず…不穏な空気になりましたが、何回か軽く振ってから書いたところ、インクが出始めました。
インクが出始めてからはインクは途切れることなく書けました。
修理後の書き心地
調整して頂いたおかげで書き心地がめちゃくちゃ良い!スラスラと滑るような書き心地、最高!
しかも、左でも書ける!嬉しくて涙が出そうです。(左で書くのを諦めていて、右で使っていました→それでも書けなかったけど…)
私が1つ残念に思ったのは軸が太すぎることです。
これは好みの問題なので万年筆の問題ではないのですが、手前に引くように線を書くと親指が詰まってしまい少し窮屈に感じました。
レジンの縞や波の模様がとてもキレイ。
ボディやキャップにレジンを使用しているので、レジン特有の縞や波の模様がとてもキレイです。
大きめなボディサイズとペン先で存在感があり、落ち着いた中にも高級感のある万年筆です。
筆箱の中に他の筆記用具と一緒に入っていたら、サイズとデザインでかなり目立つのではないかと思います。
万年筆の修理・調整
最初、万年筆の修理・調整をお願いすることに抵抗がありました。理由はちゃんと納得のいく結果になるか不安だったからです。
ペンの修理・調整は安くないし、せっかくお願いしても納得のいく書き味でなかったらもったいない。
ペンクリニックは不定期での開催ですし、そもそも近くではやらない。
悩んだ末に「どうせ使えないなら、駄目もとでお願いしてみよう」と思い切り、今回の文具店さんにお願いしました。結果は最高でした。
料金は5,500円と安くない出費ですが、満足でした。
余談 (左手より右手で使う事に向いている)
万年筆の修理・調整とはあまり関係ない話ですが、軸が15.5㎜と太いので、右手で書くと筆記がとても楽です。握らなくても、手の中にペンが収まってくれるからです。
左手で書く場合、長時間、長文の筆記には向いていないと感じました。
理由は太くて握ってるのが大変なのと、線を下や手前に書く時に親指が詰まってしまい窮屈に感じるからです。
(私の場合、左手で使う万年筆は13~14㎜ぐらいがちょうど良い太さかなと思っています。)
一生ものになりました。
左利きの方で万年筆買ったけど、「気持ちよく書けない」「ごまかしながら使っている」と諦めた気持ちで万年筆を使っている方がいたら、調整や修理をおすすめします。
私は今回の体験で万年筆の修理や調整へのハードルが下がりました。
特にまったく左手で書けなかった万年筆が調整してもらったら、左手でスラスラ書けた時の感動やら嬉しさやらは一生忘れないでしょう。
一生付き合える万年筆にして下さった文具店の方には尊敬と感謝の念でいっぱいです。
※どこの業界にも、当たり、外れがあるでしょうから修理や調整を依頼する文具店やペンクリニックのリサーチは重要です。
ここまで読んで頂きありがとうございました。今回は修理・調整した万年筆のお話でした。
もし、扱いに悩んでいる万年筆があれば、思い切って相談してみてはいかがでしょうか?
万年筆の好きな方、左利きの方の役に立てば幸いです。
みつけのしろうさぎ
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